借金してでもセミナーは受講すべきか?|利息は時間の貨幣価値

高額のセミナーに投資としての価値はあるか?

こんにちは、2級ファイナンシャル・プランニング技能士のさいとう信幸です。

FPの資格を取ってから、ブログでこのご挨拶をするのは初めてです。 2週間も特に活動していなかったことになるので、これからはFPとしてもアウトプットのペースを上げていきます。

さて、「質問箱-Peing-」という、匿名で質問ができるWEBサービスがあるのを、ご存知の方も多いと思います。 そこに、「FPさいとう信幸」という質問箱を設けまして、ご質問を承ることにいたしました。

まずは最初に「セルフ質問&回答」をしてみました。「自作自演」ともいいますね。 ちなみに、この質問は、自分でも以前から考えていたことでもあります。

【質問】先日、ある方の無料セミナーを受けて非常に感銘を受けました。帰りがけに有料セミナー招待のチラシをもらいました。受講料は50万円ですが、とても受講したい気分です。しかし、今のところ貯金は10万円しかありません。残りの40万円が貯まるのは数年先です。でも、この機会を逃すと一生後悔しそうです。カードローンで借金してでも受講すべきですか?

受講料や貯金残高は架空のものですが、私もこのような経験を実際に何度かしてきました。 私自身としては、セミナーのご案内をいただきながらも参加を迷った場合、受講料が10万円以内で済み、かつ、時間の都合がつけばとりあえず受講してみるし、時間の都合がつかなければ縁がなかったとして潔く諦める、というのが基本的スタンスです。ただ、10万円以上の場合はキャッシュフローに影響が出るので、ちょっと考えてしまいます。

この「質問」の場合は、50万円の受講料に対して、手持ちの現金が10万円しかありません。残り40万円を借り入れで賄うべきか否かというのが「質問者」の悩みになります。

まずは、借金にはつきものである「利息」について検討します。

消費者金融等のカードローンは、金利が年15〜18%というのが一般的だと思いますので、ここでは年18%、つまり月1.5%の金利として、36回(3年間)で返済するプランを考えてみます。果たして、月々の返済額と、利息合計はいくらになるでしょうか?

ちなみに、このような問題はFP試験では必ず出題されますが、ここでは金融電卓を使って一気に解いてしまいます。
金融電卓の詳しいことは別の機会に書くといたしまして、電卓のキーを
100000[PV]0[FV]36[n]1.5[i][PMT]
と叩くと、一瞬で「-14,460.96」と表示されます。
これは、月々の支払いが14461円という意味です。よって、支払総額は14461×36=520596円となります。そして、利息の合計は520596-400000=120596円です。

この利息が意味するところは、3年(36か月)という時間に付けられた120596円という金銭的な価値です。

36か月毎月コツコツ積み立てて40万円貯まるのを待ってからセミナーを受けるのではなく、今すぐセミナーを受けたい。 3年間は待てない、だから、12万円を追加で払っても、今すぐ受けたい。

と考えるならば、12万円は3年間という時間を一瞬で飛び越えるための費用だとも言えます。

このセミナーを受けることで、本業の昇任・昇給、あるいは副業によって、12万円以上の収入の上乗せが期待できるのであれば、自己投資としての価値はあると考えます。時間を飛び越える費用の元は取れるわけです。そのためには、セミナーでのインプットを、収入を得るためのアウトプットにつなげる必要性があるのは言うまでもありません。

一方、セミナーの内容が昇任・昇給には直接つながらなかったり、副業が禁止されている場合は、どうでしょうか。この場合は、3年後でなく今受講することに12万円以上の価値を見いだせるかどうかになります。

もし、同一内容のセミナーが今後2度と開催されないとなれば、12万円いや何十万円払ってでも受けたいということもあるでしょうし、3年後にも同じ内容のセミナーが開催されることが確実であれば、今回は見送って、12万円を別の投資に振り向けるという選択肢もあるでしょう。

このあたりは、自分の価値観と、価値観をベースにしたライフデザインがどのように描かれているかによって、人それぞれ異なってくると思います。

価値観とライフデザインについては、スタンフォード大学の人気講座をベースにした「LIFE DESIGN」という本が、とても参考になります。この本についても、改めて書いていきます。

最後にまとめますと、タイトルにもある「借金してでもセミナーは受講すべきか?」という質問への答えは、

「利息という時間を飛び越えるための費用を払ってでも、受けたいと思うのなら受けるべき」

というところになりますでしょうか。

さて、次回以降のブログのテーマは

  • 金融電卓の紹介
  • FP試験問題を金融電卓を使って解いてみる
  • カードローンやリボ払いのしくみ
  • 「LIFE DESIGN」のレビューと実践

などを予定しています。お楽しみに。

それでは、また。さいとう信幸でした。再見!Até mais!

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コメント

  1. […] 前回は「借金してでもセミナーは受講すべきか」ということで、利息について考えてみました。 お金を借りたら支払わなければいけない利息は、あなたが何年か後に手に入れたいモノを今すぐ欲しいときの「時間を一瞬で飛び越えるための費用」ということを書きました。 […]