ひとりひとりが改革する「働き方」/「マンガでわかる神・時間術」を読んで

1 「残業」がなくらない日本

2022年の「労働力調査」によれば、1週間に60時間以上働いている人は、約368万人もいるそうです。

「週休2日」「1日8時間労働」のはずの日本で、約19人に1人は、1日に4時間以上も「残業」をしていると言えます。

ところが、法律では、月平均60時間(厳密には年間720時間)以上の残業をしてはいけないことになっています。

政府も「残業を減らしましょう」、「年休をもっと取りましょう」「法律はきちん守りましょう」と企業や働く人に呼びかけています。

ただ、長時間の残業を取り締まるはずの「労働基準監督官」という政府職員は、全国にわずか4千人しかいません。

そのようなこともあって、500万を超える企業の1社1社まで対策の手が届かず、具体的な対策例もほとんど示されないまま、長時間の残業が放置されて続きました。

このような現状の日本で働くわたしたちは、ひとりひとりが気を付けて、残業を減らす「努力」をする必要があります。

そうしなければ、自分のための「自由な時間」が得られないだけでなく、「こころ」と「からだ」が病気になってしまうかもしれないからです。

2 「神・時間術」が、日本の働く人を救う!

ひとりひとりが努力すべきと言ってしまいましたが、働く人の個人レベルでは、仕事の量そのものを減らすことはできません。

しかし、「考え方」や「物事の見方」を考えることは、個人にもできます。

例えば、一日に12時間働いて120個の作業をしていた人がいるとします。1時間では10個の作業しかできません。

この人が、1時間に15個の仕事をこなせるようになれば、どうなるでしょう。

「120÷15=8」で、一日の作業時間は8時間で済み、残業をする必要はなくなります。

このように、決められた時間内により多くの仕事ができるようになるさまざまな方法を紹介しているのが、「神・時間術」という本です。

精神科医で、累計210万部のベストセラー作家でもある樺沢紫苑先生は、2017年に「神・時間術」を世に送り出しました。すでに、15万部を超える売上を記録しています。

今回、この「神・時間術」が、バトル漫画として「転生」しました!

題して

【マンガでわかる「神・時間術」 ヒーローお姉さん、最強の時間操作スキルで働き方改革します!】

主人公のヒーローお姉さん「朱音春子」は、表向きは広告会社の「産業医」として、社員の健康管理を行っています。

しかし、ブラック企業に対する「強制執行」のパワーを持つ、日本政府の「特殊捜査員」という裏の顔も持っています。

そして、私たちのヒーロー春子さんは、時間術を駆使してブラック企業に巣食う悪を追い詰めていくのです。

6年前に出版された「原作」をベースにして、働く人ひとりひとりが「時間術」を実践することによって残業することなく一日を終え、その結果生まれた「自由時間」を活用して、人生をより楽しむことの大切さを強く打ち出した一冊となっています。

3 朝の時間帯をフル活用せよ!

このマンガ版では、大きく分けて7つの「時間術」が紹介されています。

私が特に効果的と感じたのが「メモリー・スピーダー」、つまり朝の時間帯をフル活用する時間術です。

樺沢先生は、「朝の1時間は夕方の4時間に匹敵する」と言います。

さきほどの1時間に10個の仕事しかできない人でも、朝の時間帯を活用することで、1時間に40個もの仕事を終えることができて、残業もなくなります。

実際には、この計算どおりにはいかないでしょうが、それでも、午前中には、7割程度の仕事を終えることができるはずです。

朝に1時間集中するだけで、残業をなくすことができるのは、とても魅力的ですね。

ただし、交代制勤務や現場業務、接客サービス業など、午前中に集中して仕事を終わらせることが難しい職種の人たちは、「自分には関係ない」と思うかもしれません。

私も接客中心の仕事をしていて、デスクワークをしている時間は一日に30分程度です。「メモリー・スピーダー」を実行する機会も、ほとんどありません。

この本に書かれていることは、私のような人には不要なのでしょうか?

4 「フォーユー仕事術」と「第2のゴールデンタイム」

樺沢先生は、7つの「時間術」の他に、「フォーユー仕事術」という考え方も提案しています。

これは、「他人の時間を大切にし、尊重する」という、社会人にとって基本ともいえる考え方です。

約束の時間を守り、他人の時間を奪わないようにすることが信頼を得るために重要だと、樺沢先生は説きます。

さらに私は、仕事での「事故」を防ぐことも、他人の時間を奪わないために、大切だと思っています。

ひとたび事故を起こせば、自分の時間だけでなく、後始末をしてくれる上司の時間も奪ってしまいます。

上司からの信頼を失わないためにも、そして、自分をも守るためにも、常に仕事に集中して事故を防止する必要があります。

だからこそ、朝の時間帯に集中して仕事をするだけでなく、昼休みにはしっかりリフレッシュして、午後の仕事に備えなければなりません。

これは「第2のゴールデンタイム」という時間術として、しっかりこの本にも書かれてます。

実際に私も、60分の休憩時間のうち、20分は昼食、20分は仮眠にあてて、最後の20分に職場の周辺を散歩することを始めてみました。

その結果、午後の仕事が今までより楽になり、仕事への集中力も上がったように感じています。

「第2のゴールデンタイム」は、私のような現場で働く人にとっては、不可欠な時間術と言えるでしょう。

5 まとめにかえて、「夢」を語る!

今回この本を読んで、かつて挫折した「社会保険労務士」の試験に、再び挑戦する決意ができました。

「情報発信を通して、働く人の安全と安心、そして権利を守る」

という、新しい「夢」もはっきりしてきました。

試験勉強の時間を短縮するためには、さきほどの「メモリー・スピーダー」を活用することが欠かせません。

そのためにも、

  • 寝る前1時間前からスマホを操作しない
  • 7時間睡眠後、冷水で顔を洗って交感神経を優位にする
  • 5分の朝散歩でセロトニンを活性化し、体内時計をリセットする

といった習慣を継続していきます。

そうすれば、朝の1時間を最大限に活用して、試験勉強ができるようになり、「夢」も必ず実現できると信じています。

みなさんも、いっしょにかんばりましょう!

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