2級FP試験をアウトプット主体の学習で合格!〜アウトプット大全体験記

樺沢紫苑先生の「アウトプット大全」は2018年8月に発売され、すでに40万部を超える大ベストセラーとなっています。私はこの本に載っているノウハウを活用して2級ファイナンシャルプランナー(FP)の試験に取り組み、今年1月の試験で合格を果たすことができました。

FPの資格は、特に仕事の上で必須というわけではありませんでしが、昨年の春に、1級FPの方の講演を聞く機会があり、いままで勉強したことのない分野ではありましたが、これは面白そうだと思い、挑戦することにしました。

まず、2級FP試験について簡単に説明しますと、マネーの専門家として必要な基礎知識である、ライフプラン(社会保障制度含む)、タックス(税制)、リスク管理(生命保険・損害保険)、金融資産運用、不動産資産運用、相続・事業承継の6分野について、広く浅く出題されます。試験は、学科試験と実技試験に分かれていて、学科は4者択一のマークシート式ですが、実技では住宅ローンや税金などの計算問題も出題されます。合格率は40%前後で、超難関というほどでもありませんが、出題範囲が広いため、銀行や保険会社に勤めていても、仕事上の知識だけで合格できるような試験とはいえません。

私の仕事は、市役所の職員です。これまでの職務経験で、健康保険、年金、不動産、相続については多少の専門知識は身につけてはいましたが、税や生命保険、金融等については、仕事でも経験がなく、一般常識程度の知識しかありませんでした。このような状況で、市販のテキストや問題集だけで合格できるような試験とも思えず、受験指導予備校のお世話になるのが合格への早道と考え、受験指導予備校のビデオ通信講座に申し込みました。

受講料10数万円を支払うと、70時間を超える動画DVDとテキスト6冊、問題集2冊が送られてきました。しかし、動画は最初の数時間分は見たものの、動画を見ながらテキストに線を引くというインプットを苦痛に感じてしまい、秋風が吹く頃になるまで学習のモチベーションが上がらずじまいでした。

しかし、上司には、自己啓発の目標としてFP試験合格を宣言してしまいましたので、このまま勉強もせずに「やっぱりダメでした」とは言えません。

そこで、アウトプット大全に書いてあることを取りいれ、心機一転改めて学習に取り組むことにしました。

つまり、動画とテキストを使ったインプット優先の学習スタイルを思い切って止めて、「問題を解く」(アウトプット大全59番)という学習スタイルに切り替えました。

具体的な勉強方法としては、問題集に載っている問題を、まずは分野ごとに一通り解いてみました。一般常識しか知らなくても、最初にインプットから始めるということをせずに、頭の中に入っている知識だけで解いてみました。

最初から最後まで解き終わったら、正解できた問題と間違えた問題に振り分けます。このとき、間違えた問題のページには付箋を貼って、改めてインプットしなければいけないことをはっきりさせました。一方、正解した問題は、すでに知識が定着しているものと考え、直前の復習までは手をつけないことにしました。

こうして、ようやくインプットに取り組み始めるわけですが、該当箇所の動画を見ることはせず、問題集の解説を読んで覚えることにしました。解説を読んでも理解できないときにはじめて、テキストを読んだり、インターネットで調べたりしました。

そして、インプットしたことは、すぐにノートに書き出しました(アウトプット大全34番)。ノートに書き出すときには、単語や箇条書きだけではなく、試験直前に一目で復習できるように図を用いたり、マインドマップを描いたりしました。(アウトプット大全56番)

なお、ノートに書き出すときの方法としては、1つの学習分野についてA4版ノートの見開き2ページにまとめるようにしました。ノートは以前から愛用しているモレスキンの「プロワークブックハードカバースクエアード」を使いました。特にFP試験用というわけではなく、仕事やセミナーと兼用としました。あとから見返すときにも1冊にまとめておいたほうがよいのです。これもアウトプット大全に出ているノウハウです(アウトプット大全46番)。

このようにしてインプットが済んだら、もう一度問題を解いてみます。それでも間違えたら、別の色の付箋を付けて、再度インプットします。

このフローを、試験2週間前まで繰り返しました。どうしても間違えてしまう問題は残ってしまいましたが、60%正解できれば合格できる試験なので、割り切ってインプットの深追いはしませんでした。

また、試験直前には、予備校から送られてきた模擬試験問題を本番通りの時間制限で解き、間違えた問題は同じように復習しました。

このようにしてアウトプット主体の勉強の末、3月には晴れて合格証書を手にすることができたというわけです。

アウトプット大全には「インプットとアウトプットの黄金比は3:7」と書かれていますが、今回のFP試験対策では「2:8」ぐらいだったように感じます。

もし、動画を全部見て、テキストも最初から最後まで全部読むという、従来型のインプット中心の学習スタイルを取っていたら、アウトプットを十分に行うことができずに「1:9」、あるいは「10:0」の状態で試験当日に臨んでいたかもしれず、合格することも難しかったと思います。

試験合格から1年近くが経ちましたが、今のところ、仕事上での具体的成果にはつながっていないのが現状です。しかし、せっかく取った資格なので、「まったく資格を使えていない人(インプット大全P210)」にならないよう、自分のビジョンの中にFP技能活用を組み込んでいきたいと思います。

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